小児腎血管性高血圧における経皮的腎動脈形成術による患側腎のリバースリモデリング
1 昭和大学医学部小児科学講座
2 昭和大学病院小児循環器・成人先天性心疾患センター
3 東京衛生アドベンチスト病院小児科
腎血管性高血圧症および患側腎萎縮を伴った限局性の高度腎動脈狭窄に対し,経皮的腎動脈形成術が著効した1歳男児例を経験した.右腎動脈は最狭窄部径0.4 mm(参照血管径2.0 mm)と高度に狭窄し,患側腎は萎縮と機能低下を認めていた.高血圧は難治性で降圧薬の効果は不十分であった.SHIDEN 2 mm/2 cm(カネカメディックス,大阪)を用いて経皮的腎動脈形成術を施行,7ヶ月後に狭窄部の形態は正常化,1年2ヶ月後に降圧薬も中止でき,加えて患側腎の萎縮・機能とも改善した.小児の腎血管性高血圧症は成人と比較して経皮的腎動脈形成術の効果が乏しいとされる.本症例は,患側腎萎縮を伴った高度腎動脈狭窄であったが,経皮的腎動脈形成術により,腎血管性高血圧のみならず,患側腎の形態的,機能的なリバースリモデリングが観察しえた点で,非常に貴重な報告である.
Key words: Renovascular hypertension; renal artery stenosis; renal atrophy; percutaneous transluminal angioplasty; children
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